【ヨーロッパ0日目】中国国際航空で上海からミュンヘンに乗り継いだ話。その2

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前回の記事はこれ。

上海の空港に着く

上海空港の外観。これは出発ロビーだ。基本的に清潔で満足度は高い。

N時間のフライトののち降り立った上海は、なんとも言えない幻想的な霧もといスモッグに包まれていた。電灯が霧に反射して現代的な浦東空港のフォルムを浮かび上がらせていた。沖どめされた飛行機からバスで空港に運ばれて、最初にやらされたのが指紋採集。映画館の発券機のような機械に一人ずつ並んで、両手の指を機械に登録していく。特別難しいことはないのだけど、中国当局に自分の生体情報を渡すことになるのかと思うとなんだか感慨深いものがある。こういう部分に中国は社会主義の国で日本とは決定的に何かが違うのだということを思い知らされる。

トランジットなので殆ど時間はなく、17時半から翌日1時半までの8時間しか滞在する予定はなかった。とはいえ、8時間空港で待機するのも詰まらない。そこで上海在住の中国人の友人に案内を依頼したところ、快諾してくれた。彼女は上海の中心部で待つという事だったので、空港から電車で移動する事にした

まず最初に待ち受けていた試練は両替。ヨーロッパのようにATMからクレジットカード・デビットカードを用いてキャッシングする事が出来た。正直元の相場と現地の物価が分からなかったので、一応約600円相当の100元ずつ引き下ろした。地下鉄のチケットを買おうと思ったのだが、今度は券売機で100元札が使えずに困る。駅の受付で両替をしてもらい、やっとの事で電車に乗る。空港から市内の中心地までは概ね40分くらいだ

中国の広告は日本とテイストが違い、かなり興味をそそられた。電車の車窓に並行してパラパラ漫画のようにしてる広告なんてのもあったりして、ぶっ飛んだアイデアの数々にただただ驚かされた。

そんなこんなで指定された陸家嘴(Lujiazui)駅に着いた。まず目に飛び込んできたのは派手に聳える摩天楼。あまりのスケールの大きさに開いた口が塞がらない。ただ高いだけではなく、その外観にも多くの工夫を凝らしている。もはや超巨大なビルボードだ。

友人に会う

そんな景色に圧倒されながら、陸家嘴(Lujiazui)駅で友人を待っていた。目印になるものが見当たらなかったので、目についた「可頌坊」という漢字を打ってどこにいるのか伝えてみた(これはパン屋の事だったらしい)。漢字が完全に把握できない事以上に深刻だったのが、googleやfacebookなどの主要SNSが使えない事だ。おまけに中国ではwi-fiも契約していなかったので、完全に孤立した。完全に仕方がないので友人には電話番号を経由してのダイレクトメッセージに頼っていた。かなり不便な上に、帰ってくるのが何故か遅い。不満と不安を募らせているうちに、何とか友人と会う事が出来た。

教訓として、トランジットで旅する場合は経由地の通信環境をしっかりと考慮したプランを構築する必要があるという事を学んだ。まぁ、当然なのだが。

一応陸家嘴(Lujiazui)駅のロケーションを載せておく。

食べる

やっと友人に会う事が出来た。彼女と会うのは1年ぶりだ。フランスでインターンをしていたらしく、最近になってやっと上海へ帰ってきたらしい。時間が無いという事だったので、もういきなりレストランに直行。辛いものが食べたいと伝えていたので、陸家嘴駅から徒歩3分の所に位置する「正大广场」というショッピングモール内の中華料理店に入った。「旺池川菜」という名前のレストランである。都心オブ都心の好立地。上海の市内観光を考えている人には穴場かつオススメなスポットだ。

白身魚を唐辛子と煮込んだようなもの。激辛だが果てしなく美味い!!

頼んだ料理は様々。麻婆豆腐や青椒肉絲などの身近な料理から、牛肉を骨ごと煮込んだ大胆なスープ、魚介類に獅子唐をこれでもかというくらいに混ぜて炒めたもの、エビのボイルなど、とにかく沢山注文した。彼女曰く、中国人にとって料理をもてなしは、食べ切れない量だとしても沢山出すのが礼儀なのだそうだ。とりあえずかなりの量に驚きつつも我々は料理を食べ始めた。

う、美味い・・・!!で、でも・・・これは・・・辛い!!!!!!!

一口目から悶絶。死ぬかと思った。彼女によると上海の料理は他の地域の料理(四川など)に比べてもそこまで辛いテイストにはなっていないらしい。しかし、十分に辛い。本場の中華料理に圧倒された

かなり盛大にもてなしてくれたので、流石に全部食べようと出来るだけ口にするようにした。それがアダとなった。何も全部食べる必要はなかったようだ。獅子唐など、見た目からして食べれそうな食べ物も、味付けの為だけに入っていたりする。食べ物を使い切る(ケチ)もったいない精神が根付いた日本の文化とはかなり異なる所に興味を抱いた。

一通り食べたが、やはり食べ切れなかったので、ギブアップする事に。次はデザートを食べた。友人は餅だと言っていたので、日本の「餅」なのかと思ったが、どうも単にsticky(もちもち)というよりはcrunchy(パリパリ)な要素が入っているという。食べてみてその意味がわかった。外は若干固めでパリっとした(?)食感だが、やはり中は餅のような粘りがあった。味はきな粉激しい辛さとの対照から、かなり新鮮な味わいだった。

話に花が咲いた後、レストランを出る事に。辛過ぎて燃えそうな胃を抱えながら外に出ようとすると、決済がもう終わっていた。そう、アリペイによる完全キャッシュレス社会である。アプリをかざすだけなので、もうカードを使うより早い。先進的なデジタルテクノロジーを受け入れる柔軟な風土がある事を、新聞ではなく自分の目で確かめるきっかけとなった。

市内を観光する

陸家嘴(Lujiazui)駅のある側から対岸までタクシーで行ったところからの景色。壮観だ。

何やかんやで外に出て、しばらく川沿いを歩いて街を見る事に。やはり見慣れない景色に圧倒される事に変わりは無かった。どのビルも綿密に広告の工夫を凝らしている。超巨大デジタルサイネージだ。莫大な電力消費に見合うだけの、広告効果があるのだろう。こういった景色からも、中国の人々のチャンスがあれば逃さずモノにするようなハングリーな精神が感じ取れた。「日本よりも社会主義に適した国は無い」と揶揄される事があるが、「中国よりも資本主義に適した国は無い」と言えるだろう。とても皮肉だ。

対岸に行くと街が一望できて綺麗だとの事だったので、タクシーで移動した。彼女が使っていたのは中国版ウーバー。おそらくデジタル化による利便性向上の恩恵を最も受けているのは中国だ、とまたも思わされる。

対岸はまた違った印象を与えた。金融的機能の中心地である超高層ビル街を抜けると、どことなく台湾や昔の日本で目にされるようなノスタルジックな光景が広がった。一口に上海と言っても、全ての地域が同様の発展を見せたわけでは無いという点が興味をそそる。発展による恩恵は、あくまでグローバルな世界と繋がりを持ったごく一部の層に属する人間にのみもたらされ続けていたのかもしれない。

しかし、対岸から見える景色は本当に綺麗だった。

タクシーに乗る

ごく僅かにしか残されていなかった時間の間に多過ぎるくらいの情報量を提供してくれた友人に別れを告げ、タクシーに乗り込んだ。タクシーの値段は上記の写真をとった公園のあたりから空港までで約200元。地下鉄よりは明らかに高いが、上海の景色を地上からつぶさに見る事ができると考えると、そこまで高くはなかった。2人で乗っていたので割り勘して、100元。だいたい1600円くらいである。

こうして超短時間で上海観光を済ませた我々は、ミュンヘン行きの飛行機に乗ったのだった。

おわりに

ここまでの一連の経験から、かなり短期間ではあっても中国で今起こっている現実を目の当たりにする事が出来た。もしトランジットとして中国の都市を訪れる事があるのであれば、ぜひ街まで繰り出してみる事を勧める。旅は続く。